前回
石けんは脂肪酸でできていて
肌の保湿成分が脂肪酸であるために石けんがとても肌に優しく体を洗うのに理想的だと言うことを書きましたが
今回はもう少し踏み込んだ内容を書きたいと思います。
まず
油の話から
油は大きく分けると
「飽和脂肪酸」と
「不飽和脂肪酸」の物に分かれます
この違いは簡単に言うと
飽和脂肪酸は常温で固形の物(牛脂や蜜蝋など。比較的安定しているので酸化しずらい)
不飽和脂肪酸は常温で液体の物(椿油 オリーブオイルなど。飽和脂肪酸より酸化しやすい)
代表的な脂肪酸の特長を見てみましょう
まず
飽和脂肪酸から
ラウリン酸
ココナッツ油、パーム核油に多く含まれ、硬い石けんになります
冷水に溶けやすく、対硬水性・気泡力が高いので、昔から多くの石けんにココナッツ油が用いられてきました。
しかし、ラウリン酸が多く含まれる石けんは肌を乾燥させると言われます。
ミリスティン酸
ココナッツ油、パーム核油に多く含まれます。冷水にも溶けやすく、洗浄力もあり、ラウリン酸同様良質な泡を立てることができます。
パルミチン酸
ミツロウ、パーム油、ラード、牛脂に多く含まれます。融点が63.1度と高いため、硬くて冷水には溶けずらい石けんになります
ステアリン酸
牛脂、カカオバター、シアバターなどに多く含まれます。融点が69.6度と高く、冷水には溶けず、溶けないと洗浄力も発揮できません。
またせっけんカス(金属石けん)も多く発生します。
石けんに使うと、少量なら皮膚の乾燥を防ぎますが、多いと突っ張った感じになりやすいです。
続いて
不飽和脂肪酸
パルミトレイン酸
マカデミアナッツ油に多く含まれます。冷水にも溶けやすく、泡立ちも良いので良質の石けんができます。
また、パルミトレイン酸は皮脂に多く含まれている成分なので化粧品用成分としても注目されています。
オレイン酸
オリーブ油、ツバキ油、ひまわり油などに多く含まれます。
冷水にも溶けやすく、洗浄力も良く肌への刺激も少ない石けんになります。
不飽和脂肪酸ですがリノール酸やリノレン酸よりは安定しているため、多くの石けんの主成分として使われることが多いです
ただし、酸化したオレイン酸は毛穴(ぼつぼつ)の原因と言われていますので、使い方注意です。
リノール酸
グレープシード油、大豆油、コーン油、米ぬか油に多く含まれます。必須脂肪酸で、動物の発育上重要な脂肪酸です
石けんに用いたときも冷水に溶けやすく良好な泡立ちですが、柔らかく溶け崩れやすく酸化しやすく変質が早いです
リノレン酸
ローズヒップ油、ククイナッツ油、くるみ油に多く含まれます。リノール酸同様、必須脂肪酸です。
リノール酸以上に酸化されやすく、溶けやすいものになります
リシノール酸
ひまし油に含まれ石けんにすると、硬いけど冷水に溶けやすく、保湿力の高い石けんになります。
鎮痛剤や抗炎症剤の効果があり薬としても用いられる。
上記のような脂肪酸の特長があるのですが
hair geneの3つのオリジナル石けんは、どんな油から作られていて
どのような効果を狙って作られているのでしょうか?
一番初めに作った
GENE SOZAIナチュラルソープ
使われている油は
オリーブ油、ラード、パーム核油、ひまし油、マカデミアナッツ油
添加剤としてホホバオイル
そして
GENE SOZAIムジソープ
大豆油、菜種油、パーム油
最後に
GENE SOZAIソザイセッケン
パーム油、パーム核油
今日はこの辺で、続きは次回ということで
そして次回までの宿題を出したいと思います!!
この3つの石けんの使われている油と、上記の油の説明を元に
これらの石けんの狙いと特長を述べよ・・・。なんて・・
この答え合わせは次回ということで!!
次回はhair geneの石けんが
どのようなコンセプト、どんな狙いで作られたのか説明していきたいと思います
あ! ちなみに GENE SOZAIナチュラルソープだけ作り方は「コールドプロセスです」
後の二つは「ケンカ法」です
(宿題のヒントの一つとして・・。)